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ダニーとジョリーナの話

モナドナック友達の1人にダニーという40代のケープベルデのおじさんがいる。車、機械いじりが得意で陽気で大酒飲みで, アメリカに来てからもう20年以上たち、奥さんもアメリカ人なのに英語を話すときにはまだしっかりアクセントがあるたのしいおじちゃんだ。わたしをみると、いつも「けいっこー!ユア マイ フレンドーー!!」と叫ぶ。

この間、友達のジョリーナの家にいくから、一緒にいこうと誘われた。わたしはジョリーナとは面識が無かったので辞退したのだが、近いし大丈夫だよ、と押し切られ、ジョリーナの家までの5分くらいの距離をダニーと一緒に歩いていった。歩いている途中、ダニーはジョリーナのことはいろいろ話してくれた。ケープベルデにいたときから知っていること。ダニーが最初に家族とともにアメリカに移住して、偶然ジョリーナの家族も同じ地域に移住したのでいまでも交遊が続いていること。お料理が上手な事。最後にダニーは「俺はジョリーナの1番最初の恋人だった」とちょっと嬉しそうに、得意そうにいった。そのあとすぐに「ジョリーナは友達で、今はもちろん恋人じゃないよ!!」と慌てて付け足していた。

ジョリーナの家につくと、ダニーと同じくらいの40代前後とみえる女性と、もっと年配の女性がわらって出迎えてくれた。若い方がアクセントのある英語で「わたしがジョリーナよ」わらって挨拶した。年配の女性は英語がしゃべれないぽかった。おうちはケープベルデの様々のもので飾られていて面白かった。ダニーがいろいろ世話を焼いてくれて、あれは「ケープベルデ独立の父」のポスターだ、とか、これはアフリカのゲームだとか、いろいろ教えてくれた。わたしが日本で小さい頃遊んだ、マンカラというビー玉のゲームによく似たのがあったので、ダニーにルールを教えてもらいやってみたりした。結果は3戦3敗だった。。。わたしのゲームベタに加えダニーが生粋のギャンブラーだったからしょうがない。。。ジョリーナの中学生の息子にもあった。キリマンジャロという名前で、「わたしが大きな山の名前ね」といったらよく知っていると驚かれた。日本では山の絵がかいてある有名なコーヒー豆であることは言わないでおいた。

ジョリーナの家に遊びにいってから2週間位経った時にまたダニーにあった。ジョリーナが元気か?って言ってたよ。とダニーがいった。そういった後に、秘密を告白するみたいに小さな声で「ジョリーナ今、俺のことおこって電話にでてくれないんだ」といった。「どうして?」とわたし。するとダニーがジョリーナの誕生日をわすれたこからだよ。といった。わたしが「ダニー、そんなの馬鹿げてるわ。もう恋人同士じゃないんだし。そんなことでジョリーナはすねるなんて。」というとダニーは本気な顔で「でも俺はジョリーナの最初の恋人だぜ。。。あとジョリーナは俺の最初の恋人でもあったんだ」といい、恥ずかしそうに笑った。よく聞くと、ジョリーナが14歳のとき、ダニーが13歳のときの、お互いは人生最初の恋人だったそうだ。何十年もたった今、それぞれ違う人と結婚して違う人生を歩んでいる二人だが、いまでもジョリーナはダニーに誕生日を忘れたといってすね、ダニーが謝っている。若き恋人だった頃の2人の様子が目に浮かぶようだ、と思った。何十年もたったあとで、誕生日を忘れた、といっておこっているジョリーナはとてもかわいい女性だと思った。

左から2番目がダニー